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DOPE MUSIC, DOPE IDOL?

聴いたCDや見たライヴの感想を不定期で書いていきます。

【ライヴ】2016/11/6 Maison book girl「Solitude HOTEL 2F」@渋谷WWW X

 結成当初から活動を見続けてきた、Maison book girl(以下、ブクガ)の2ndワンマンライヴを見てきました。ブクガについてまとまった文章を公開するのは初めてで、読みにくいところが多々あるかもしれませんが、最後まで読んでもらえたら幸いです。

 

 「Solitude HOTEL」と題されたワンマンライヴは今回が2回目(※1)で、第1回(階)の「Solitude HOTEL 1F」からは約1年ぶり。前回はキャパ400人の渋谷WOMBで行われ、この時はチケット完売がライヴの4日前だった。今回はキャパ600人(※2)のライヴハウスで、チケットは発売日に完売した。これだけでもステップアップしていることはわかるが、ライヴについても格段に良くなっていたので、忘れない内に記しておこうと思う。

 

 ブクガのライヴはいつも前には行かず、中央〜後方の動いても隣の人とぶつからない程度のスペースがある場所で見るのが自分のスタンス。だが、ワンマンは前で見ようと思い、50番台で入場。WWW Xのフロアは横長のため、50番台でも2列目に行くことができた。しばらくすると、ブクガのプロデューサーであるサクライケンタ氏のインスト集「before2009」の曲が聴こえてきて、ワンマン感がより強まった。ふと思い返すと、2014年12月20日にちょうど真下にあるWWWで、いずこねこの解散ライヴを見た時も同じ曲が流れていた。定刻5分前にはサクライさんが2階に現れ、パノラマでフロアの様子を撮影して良い雰囲気になった。そして、定刻から5分が経過したところで暗転し、盛大な拍手と共にライヴはスタートした。

 

 水と煙が印象的な映像をバックに新作のSEが流される。音は大きめだけど、綺麗でスッと耳に入ってくる感じ。話には聞いていたが、音響は良いというのがわかった。SEの終わりでメンバーが登場し、メジャーデビューシングル曲の「cloudy irony」からスタート。覚悟はしていたものの、始まった途端に後ろからの圧縮で身動きが取れなくなってしまったので、ステージを見ることだけに集中していた。前回のワンマンは「bath room」のイントロから大勢のクラップに出迎えられたコショージが嬉し泣きをし、他の3人は緊張した表情でライヴをしていたが、今回は1曲目から全員に笑顔が見える。新曲でまだ振付が完璧ではないけど、定番曲になると思うので、じっくり育てていって欲しい。今回は曲の終わりのポーズをしばらく固めたままだったのも、暗い照明と相まってクールでカッコ良かった。

 続くはリリックに関係性がある「snow irony」という綺麗な流れで、イントロから煽りが入り、「oi!oioi!」のコールが入って盛り上がる。もうこの時点で汗だくだったし、メンバーにも汗が見えていた。ライヴ後に1stワンマンの映像もアップされたが、この時は歌も振付も不安定なところが目立っていたけど、もうそんな心配も無く見られるようになった。1年でどれだけ成長したかがよくわかる。

 そして「bath room」へ。初めて見たブクガの曲はこれだったが、あの六本木ブルーシアターからもうすぐ2年。観客が増えても7拍子に合わせたクラップは綺麗に揃っていた。この曲でサーフしてくる人を見たのは初めてかもしれない。

  続く「sin morning」はイントロにブレイク(休符)があるのが印象的な5拍子メインの曲。ちょうどブレイクが入るところで歓声が入っていたのは新鮮だった。身体を揺らしながら見たかったけど、圧縮でできず、首から上を動かてリズムを取りながら、まだ見慣れていない振付をじっくり見ていた。4人が横に並んで自分の手と隣の人の手をリズに合わせて叩くのとか、振付は「bath room」よりもSteve Reichの「Clapping Music」感が強いと思う。

 照明で印象的だったのが次の「film noir」のイントロだ。この時はまだ2列目で見ていて、ステージもよく見えていたけど、真っ暗な中、白のストロボがピカピカ光っていて、カッコ良かった。途中で身体を動かしながら見れないのがストレスになってきたので、後ろへ移動した。後ろも人が多くて驚いたけど、身体を動かすくらいのスペースはあって、こっちの方が自分には合っていた。

 「film noir」→「Remove」→「last scene」→「最後のような彼女の曲」とノンストップでトラックが繋がっている流れは完璧だった。「最後のような彼女の曲」の3拍子は楽しくなると、ついMIXを入れてしまう。

 そして、今回のライヴで特筆すべき曲は「karma」だ。イントロの太鼓がドンドンドンドンと鳴ると同時に、心臓の鼓動もそのBPMに合わせて早くなっていくかのような感覚。身体の奥から血が沸々と湧き上がるような感じ。ぼくはただ踊っているだけのつもりだけど、それがヒートアップして、モッシュみたいになった。こんな形で気持ちが昂ぶって身体が動いたのは、今年4月のenvy活動休止ライヴ以来かもしれない。やはり、高速3拍子は激情ハードコアになり得る。そして、フロアの中央辺りには同じ感覚を持ってそうな人が大勢居たし、ほとんど知っている顔だった。先月のカナダツアーでもこの「karma」でモッシュピットができていた。それを見たメンバーの井上唯が、帰国後のトークイベントで言及したのがこちら。(※3)

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正にインタビューアーの宗像さんが笑いながら答えた通りになっていたし、会場の熱気もあって、カナダのモッシュを超える凄まじさだった。ブクガの音色、声、世界観にモッシュは似合わないと思っているし、この先も普段のライヴではこうはならないと思う。でも、この日の「karma」は新しい形を見せてくれたと思うし、カナダツアーを見てきた流れもあって、この日のハイライトは「karma」だった。

 そして、「裏切られて×3+裏切るの」というフレーズが耳に残る「faithlessness」へ。7月頃に初披露されたこの曲はメジャーデビューシングルに入らないためか、セットリストに入ることも稀になったが、手拍子は綺麗に揃っていた。早く音源化して欲しいと思っていたら。。。

 

  ここまで10曲をMC無しのぶっ続けで披露したところでSEが流れて、メンバーは一旦はける。そして初披露のポエトリーリーディング「14days」が映像付きで流される。14日前...13日前...と1日ごとに短い日記のような内容が読まれていく。詞の内容は覚えていないけど、日がカウントダウンされていくにつれて最初の1音が低くなっていき、読み上げる声もどんどん暗く、弱くなっているように感じた。映像は次々と野菜が刃物で切られていくところが印象的で、その繰り返しにちょっとした怖さを感じた。こんな恐怖感あるトラックが、アイドルのメジャーシングルに収録されるということが驚きだ。切られていく野菜が、キャベツ、人参、ピーマン...ときて、身内ネタだけど焼きそばでも作ろうとしてるのかとハラハラしてしまったのはここだけの話。ライヴ後のツイートでわかったことだけど、作詞だけでなく、VJまでやってのけるコショージの才能は推しながら本当にすごいと思う。

  再びメンバーが出てきたところで、次はポエトリーリーディングの「empty」を披露。ライヴでするのは2回目で、見るのは初めてだった。一見、ただノートに書かれていることを朗読しているように見えるけど、音に合ったスピードで、4人で順番に合わせて読むのは難しいと思う。それでもさらりと読み上げ、SE→「14days」→「empty」の流れで、先ほどまでの熱気を一気にチルアウトさせた。ここでのチルアウトは、音楽的な意味であることを付け足しておく。(※4)

 

 「lost AGE」のイントロの「カチッ」という一音で、会場の雰囲気をガラッと変えた。正にそれはスイッチを入れたようで美しかった。「bed」→「blue light」と3連続で、いや、「empty」を入れて4曲連続で今年3月にリリースされた「summer continue」の曲が披露された。 

 「blue light」には周りの雰囲気を飲み込む力があると思う。今年の5月末にあった「淡路島アイドルフェスティバル」で、最後のブクガが披露したのがこの曲。出演時間の短縮、出番直前の大雨という逆境の中で見せてくれた「blue light」は、自分の中でもう超えないだろうと思っていた。しかし、あっさり超えてしまった。ほとんどの人が棒立ちでじっとステージを見つめていたのも印象的だったが、ぼくはこの曲の3+4の7拍子のリズムが好きで、いつも通り拍子に合わせて揺れていた。この日は音も良かったが、照明も美しかった。「blue light」という曲名なので、青色の照明で合わせてくるかと思いきや、スモークを充満させ、暗い金色のような光で神々しかった。それは2ヶ月前に見た日本のノイズロックバンドBorisのようだった。アイドルなのに暗めの照明とスモークで、メンバーの表情は見えない。そこにあるのは見覚えのある4人の人影だけ。ぼくも揺れるのを止めて見とれてしまっていた。

 この照明を指示したサクライさんも見事だけど、ステージにいるメンバーの表現力があってこそ成立するもので、スタッフ含めて、本当に良いチームになったと思う。

 

 「blue light」が終わったところで本編は終了。喉が渇いて声がガラガラになってしまったので、このタイミングで水をもらいに行き、戻ってきたらアンコールが普通の手拍子ではなく、「bath room」の7拍子クラップになっていたのもブクガらしい。そして、メンバーが再び出てきて、ここでようやくMCに入った。何やら、お知らせ大魔王に戦いを申し込まれていて、みんなの力が欲しいんだとか。コショージの茶番に付き合い、みんなで「PON!」と言うと、重大発表が。

Maison book girl NEW ALBUM「image」
2017 early spring RERESE
※鋭意作成中

歓声が上がる中、よく見るとRELEASEではなく、RERESEになっていることが指摘され、文字を隠そうとする葵ちゃんに、「恥ずかしいから早く消して」と言うコショージ。さっきまでの雰囲気あるライヴの緊張感はすっかり崩れてしまったものの、これもいつも通りのブクガで、微笑ましい。

 最後に「cloudy irony」をもう1度と、予想通りの「my cut」で盛り上がってライヴは終了。メジャーデビュー前に今までの集大成を見せてくれたと思う。このライブから1週間が経ち、毎日のように取材や、メディアでの宣伝が発表されている。これがどの程度の効果があるかはわからないけど、きっと良いメジャーデビューになると祈っている。ぼくにとって、1ヶ月前のカナダツアーに行けたことが本当に良い経験だったし、この先もそんな経験をさせてくれるんじゃないかと期待して、まだまだ見続けたいと思う。

 

-set list- 

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https://twitter.com/Mbg_setlist より

 

-P.S-

 最後まで読んで下さりありがとうございます。今回のワンマンに対しての感想は見た人の数だけあると思います。 普段からブクガのライブを見てる人はこの日の異常さをわかっていると思うけど、ワンマンでしか見たことがない人がいれば、普段のライヴも見に行って欲しい。普段からブクガのライヴを見ていれば、この日の異常さが必然だったということに気づくはずだと思う。今後、ブクガがどうなっていくかは誰にもわからないけど、ライヴは見る度に少しずつ変わっていくと思う。今回はまとまった文章を初めて公開してみましたが、非公開でもいいので文章を残しておくと、後から見返した時にあの時どうだっただろう?というのが思い出せるので、メモ程度でも思ったことを残しておくことをおすすめします。

 

※1 「Solitude HOTEL」と名前の付くイベントは3回目。初回は「Solitude HOTEL B1」と題され、宗本花音里の脱退ライヴが行われた。この時は、ワンマンではなく、OAでGOMESSが出演していた。

※2 チケットは600枚ちょうどだったので、関係者も含めると650〜700人と予想できる。

※3 井上唯(Maison book girl)IDOL AND READ 008発売記念トークイベントで「逆輸入!ロンドンでバズりましょう!」 | ニュース | 【ガチ恋!】 -ガチで恋した音楽サイト GACHIKOI- より引用。

※4 チルアウトはジャンル名であると同時に、ダンスフロアにいる客たちにダンスで火照った体を休め、落ち着かせる機会を与えるためダンスフロアの端にしつらえた冷たい(Chill)部屋で流される音楽からも来ている。この部屋には寝椅子、気持ちのよい枕があり、また陶酔に誘うサイケな照明、そして音楽による演出がなされており、その音楽は(特に数歩先にあるダンスフロアの音楽と比べると)明らかにダウンテンポなものである。(チルアウト - Wikipedia より)